健康

はちみつ

はちみつとは

ミツバチが花の蜜を採集し、巣の中で加工、貯蔵したものをいう。
約8割の糖分と約2割の水分によって構成され、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなど約190種類の栄養成分を含む。

はちみつ100 gあたりの栄養分

  • エネルギー 304 kcal
  • 水分 17.1 g
  • 炭水化物82.4 g
  • 糖類82.12 g
  • 食物繊維0.2 g
  • 脂肪0 g
  • タンパク質0.3 g
    • トリプトファン0.004 g
    • トレオニン0.004 g
    • イソロイシン0.008 g
    • ロイシン0.01 g
    • リシン0.008 g
    • メチオニン0.001 g
    • シスチン0.003 g
    • フェニルアラニン0.011 g
    • チロシン0.008 g
    • バリン0.009 g
    • アルギニン0.005 g
    • ヒスチジン0.001 g
    • アラニン0.006 g
    • アスパラギン酸0.027 g
    • グルタミン酸0.018 g
    • グリシン0.007 g
    • プロリン0.09 g
    • セリン0.006 g
  • ビタミン
    • B2 (リボフラビン) 3% 0.038 mg
    • B3(ナイアシン) 1%  0.121 mg
    • B5(パントテン酸) 1%  0.068 mg
    • B6(ビタミン) 2% 0.024 mg
    • B9(葉酸 ) 1% 2 µg
    • コリン 0% 2.2 mg
    • ビタミンC 1% 0.5 mg
  • ミネラル
    • ナトリウム 0% 4 mg
    • カリウム 1% 52 mg
    • カルシウム 1% 6 mg
    • マグネシウム 1% 2 mg
    • リン 1% 4 mg
    • 鉄分 3% 0.42 mg
    • 亜鉛 2% 0.22 mg
    • マンガン 4% 0.08 mg
    • セレン 1% 0.8 µg

はちみつの特長

(1) カロリーが低い

大さじ3杯 (27g) 105kcaⅼの砂糖と、大さじ1杯 (21g) 62kcaⅼのはちみつの甘さは同等だと言われている。砂糖に比べ甘さは3倍なのに対してカロリーは25%低い。
※ 大さじ1  (15ml) 21g:62kcal
※ 小さじ1 (5ml) 7g:21kcal

(2) 殺菌作用

  • 成分のグルコン酸に殺菌作用がある (医療用具の消毒にも使われている)。
  • 成分のグルコースオキシダーゼは酵素の一種で、過酸化酸素をつくり出す働きがある。過酸化酸素には殺菌作用がある。
  • 糖分の濃度が高いことによって強い浸透圧が生じるため、細菌は細胞内の水分が奪われて繁殖が抑えられる。

(3) 消化が早く、消化器への負担が少ない

主な成分が果糖とブドウ糖なので、それ以上の分解は不要で、消化されるまでのスピードが速く、消化器官に負担が少ない。摂取後、比較的早いタイミングでエネルギーとして使用される。

(4) 低GI

GI値が低く、脂肪として蓄えられにくい。
※肥満の人が砂糖かハチミツを1か月取り続けた時の空腹時の血糖値の変化を測定した場合、砂糖の人は2.2%上昇。ハチミツの人は4.2%下がった。

(5) 腸内環境の改善

グルコン酸とオリゴ糖は腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減少させる。

(6) 保存性

高い糖濃度と殺菌成分により保存性に優れ基本的には腐らない食品。
※砂糖そのものや、高濃度で砂糖を配合したジャムやシロップなどが腐らず長期保存できるのも、高い糖分濃度による浸透圧によるもの。

(7) 抗炎症作用

弱酸性に保つ点と、ビタミンB1、B2を含んでいるため、口内炎などの緩和に役立つ。

(8) 快眠作用

成分のトリプトファンには快眠を促す効果があり、それによって熟睡中に行われる「成長ホルモン」の分泌をサポートする。

(9) 血管を改善

  • 成分のコリンには、血管を拡張させることにより血圧を下げ、血管壁の悪玉コレステロールの沈着を防ぐ働きがある。
  • 成分のフラボノイドにも、血管を拡げ血流を改善してくれる。
  • はちみつを砂糖の代わりに使用した人の悪玉コレステロールの数値が -5.8%となったケースもある。

(10) 抗酸化作用

樹液から取れる甘露はちみつは、ポリフェノールの総量と抗酸化作用に相関関係があり、老化の原因となる活性酸素を除去する効果が期待できる。

注意点

  • 40g / 日 以上の摂取は糖分の過剰摂取になる。
  • ビタミン類は多く含まれているが、加熱により栄養素の量が減少する。
  • ボツリヌス菌が混入している可能性があるため、腸内環境がまだしっかりと整っていない1歳未満の子供の場合、ボツリヌス菌が腸内で増殖し、さまざまな悪影響を引き起こす可能性がある。ボツリヌス菌は熱にも強いため通常の調理でも死なない。
  • グルコン酸を摂り過ぎるとお腹がゆるくなる。
  • 成分の果糖は、主に肝臓で代謝されるため、取りすぎると肝臓に脂肪として蓄えられやすい。
  • 成分の果糖は、生物の季節による食糧の不足を補うなど、元来サバイバルの用の食品であるため、他の糖よりも脂肪になりやすく、脂肪遺伝子を活性化する性質がある。つまり、腹部肥満になりやすい。
  • 果糖の取り過ぎは、インスリン抵抗性 (糖に対して適切にコントロールすること)と、糖新生 (炭水化物を介さずに新しい糖を作り出すこと) に影響を及ぼす。
  • 成分のブドウ糖は、体全体で代謝されるが、中性脂肪になりやすい。

保存方法

常温保存。直射日光の当たらない風通しの良い場所に保存する。

はちみつの種類

純粋はちみつ

はちみつ以外に何も混ぜられていないもの。国産では水分含有量が23%以下、海外産では20%以下。

精製はちみつ

はちみつからにおいや色を取り除き加工したもの。加工により本来の栄養素は壊れてしまい、糖分としての役割しか果たさない。

加糖はちみつ

はちみつに果糖ブドウ糖液を加えたもので、はちみつの含有量が全体の60%以上のもの。

本物の購入仕方

  1. 信用できる店舗で購入する。
  2. 極端に安いハチミツには注意。
  3. 商品の説明や口コミをよく読んで判断する。
  4. 純粋ハチミツは透明度が低く、濁っていて前方を透かして見る事は出来ない。濁りの無いものは本来持つ有効成分が濾過されている可能性がある。
  5. 瓶を逆さにすると本物には色々な酵素が含まれているため、キメ細かな泡が立つ傾向がある。
  6. 温度を下げると結晶化して固る傾向がある。
  7. 紅茶の成分のタンニンにハチミツの鉄分が反応して黒く変色する場合が多い。

単花蜜 (たんかみつ) と百花蜜 (ひゃっかみつ)

単花蜜

大部分が1種類の花から採れたはちみつ。

百花蜜

複数の花から採れたはちみつ。

蜜源によるはちみつの分類

草花系はちみつ

基本的に味にクセがなく、花の香りをほのかに楽しむことができる。そのまま食べるのはもちろん、いろいろな料理などに合わせやすい。
※レンゲ花、クローバー

樹木系はちみつ

クセがない甘さとさっぱりした口当たりが特徴。
樹木の深みのある香り。ポリフェノールにより抗酸化作用のあるものが多い。
※アカシア、レザーウッドハニー

ハーブ系はちみつ

個性的な香り。食べるアロマ。
※ラベンダー、タイム

ナッツ系はちみつ

いい意味でも悪い意味でもクセが強い。
味が強めの食材と相性が良い。
※クリ

フルーツ系はちみつ

甘味強い。フルーツ特有の酸味。爽やかな香り。
そのまま食べても、スイーツと合わせると複雑な味や香りを楽しめる。
※リンゴ、みかん

商品ごとの特長

マヌカはちみつ

  • マヌカハニーは過酸化水素だけでなくメチルグリオキサールを多く含んでいて、ピロリ菌抑制、胃腸疾患、整腸作用、喉の痛み、外傷の消毒など、強い抗菌作用がある。
  • メチルグリオキサールは熱や酵素による分解に強く、メチルグリオキサールの含有量が多いマニカハニーほど高額になっている。
  • 蜜源はニュージーランドにのみ自生しているフトモモ科の常緑低木・マヌカの花
  • 名前マヌカの由来は、マオリ語で「復活の木」「癒しの木」
  • 11月から1月ころまで各地域で順次満開になる。
  • ニュージーランドでは法律を定めて徹底管理を行い、また、抗生物質の使用を禁止。味や効果が優れているだけでなく信頼性も高い。
  • 独特の味わいや風味があり、日本で一般的なレンゲやアカシアのはちみつと比べるとクセがある。

アカシア花はちみつ

  • 砂糖はもちろん他のはちみつよりもGI(グリセミックインデックス)値が低いので、血糖値が上がりづらい特徴がある
  • 「はちみつの女王」と言われ、数あるはちみつの中でも人気が高い。クセが少なく食べやすい、日本人向け。砂糖の代わりとしても活用しやすい
  • アカシアはちみつは北米を原産地とするマメ科の植物のニセアカシアを蜜源。5月から6月頃に咲く。和名では「ハリエンジュ」。アカシアとは異なる植物。
  • ブドウ糖よりも果糖の割合が多いため、結晶化しづらい

レンゲ はちみつ

  • 日本を代表するはちみつ「はちみつの王様」
  • 日本人には人気の高いはちみつ
  • 国産のれんげはちみつは非常に貴重で高級

コーヒー花はちみつ

ソバはちみつ

  • 北海道が主産地。 
  • 色は濃い褐色で、強い香りと黒砂糖に似た深いコクと独特の風味がある。(クセが強い)
  • 日本ではあまり馴染み無く、フランスでは高級はちみつとして人気がある。
  • フラボノイドを含み、カルシウム、鉄などのミネラル・ビタミンなど、体によい栄養素が多い。

そよごはちみつ

  • 爽快感とコクが特徴で、スッキリとした甘みとほのかに残る花の香り

トチはちみつ

  • トチは山の中に多く自生する自然木で、5~6月に花が咲く。
  • フローラルな香りと、野山を感じさせるコッテリとしたコクがあり、濃厚で柔らかな甘さが人気。
  • アカシアに次いで、結晶しにくい。

オレンジはちみつ

  • オレンジの白い花から採れるはちみつ。
  • 南米やアメリカなどから輸入されたものが中心
  • 柑橘系ならではの爽やかな香りで甘酸っぱいフルーティな味わい

クローバーはちみつ

  • 世界的にも人気が高く、親しまれている
  • クセのない優しい甘さと上品な味わい

ヒマワリはちみつ

  • 花粉を多く含み、濃厚な甘みと共に、爽やかな酸味

レモンはちみつ

  • 柑橘系の爽やかな香りとスッキリとした味わい

ミカン花はちみつ

リンゴ花はちみつ

クローバーはちみつ

ラベンダーはちみつ

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