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塩の製法

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塩の製造工程

濃縮工程

  1. 天日濃縮
  2. 流下式平釜法 
  3. 溶解
  4. イオン交換膜製塩法
  5. 逆浸透膜製塩法

結晶化工程

  1. 天日
  2. 立釜
  3. 平釜
  4. 常温瞬間空中結晶製塩法
  5. 非直接火式低温製法(特許)

塩の製法

(1) 天日塩

  • 原料は100%海水。
  • 濃縮・結晶の工程共に天日で行われた食塩。
  • 海水を大きな塩田ひとつで濃縮するため、適した気候や、広く平らな場所、そして、莫大な土地、時間、収穫するコストが必要。
  • 日本の気候で行う場合、主に立体塩田と言う設備が使われている。立体塩田では、高く張り巡らしたネットの上から、ポンプで組み上げた海水を噴霧し濃縮する。
  • 低い温度でゆっくりと結晶化するため、粒が大きくなり、粉砕工程が入ることが多い。
  • 低温で長い時間かけて濃縮するため、より規則的に5つの成分が析出される。
  • 再製加工塩や、精製塩の原料となる安価な天日塩の産地は主にオーストラリア、中国、メキシコなど海外。食用以外(ソーダ工業用など)に使われることも多い。
  • 安価な天日塩は、生産地で洗浄(異物•不純物を取り除く)が行われるのが一般的。洗浄で、カルシウム、カリウム、マグネシウムが無くなることも多く、成分は、塩化ナトリウムが97~98%、残り2~3%は水分。

(2)釜焚塩

  • 釜を利用して、海水を濃縮•結晶した塩。
  • 塩水を平釜で一昼夜加熱する。燃料は、昔は薪、今はボイラーが多い。
  • 釜焚塩と天日塩の違いは、温度と時間の差。天日40℃ 釜100℃。
  • 流下式平釜法では、海水を濃縮しながら、段階的に面積の小さい塩田に流して行き、最後に一番小さな塩田(結晶池)で結晶した塩を収穫する。
  • 成分の結晶化のタイミングが違うため、平釜法を移動するタイミングで、結晶池で出来上がる塩の成分・味が異なる。
  • 結晶池が他の釜焚き製法での釜にあたる。
  • 結晶池で採りたい塩の成分を決める。
  • 昔の「揚げ浜式」「入浜式」「流下式」と呼ばれる方法はすべて釜焚きの濃縮方法。

(3)岩塩

  • 太古に陸地の移動などで海水が閉じこめられ、長い時間を経て干上がり、塩になったもの。自然現象で出来た塩。
  • 多くの場合地層化している。
  • 海水の各成分は、その種類によって、固まるタイミングが違い、各成分ごとの層が出来る。
  • 早く固まるもの、下から順に4層目マグネシウム層、3層目カリウム層、2層目ナトリウム層、1層目カルシウム層(自然現象なので、完全に綺麗には別れない。)
  • カリウム分・マグネシウム分は溶けやすいので、地層として残りにくい。
  • 海水の成分中およそ4分の3は塩化ナトリウムで、ナトリウム層が最も大きくなる。
  • 岩塩は塩化ナトリウム層を採掘したもの。多くの岩塩のナトリウム分の純度が高いのはそのため。
  • 地上からボーリングして採掘した岩塩には、ナトリウム以外の成分が含まれることも多い。
  • 岩塩は層になるまでにかなりの時間を経るため、その過程で海水以外の成分が混ざり特徴を持った岩塩が出来る。火山の硫黄、その土地の鉄分、特有のピンク色・エンジ色・黒色になるのはそのため。
  • 粉砕岩塩は、地層になった岩塩層の塩を採掘し、粉砕しただけの食塩。
  • 天日岩塩や釜焚岩塩の違いは結晶化の工程のみ。原料の岩塩を水に溶解する点は同じ。
  • 採掘時は大きな固まりの岩塩も、溶解することで、不純物を濾過し、細かな粒に再結晶させることが出来る。
  • 溶解により原料の岩塩の成分は変わるが、調整(カリウムやマグネシウムを追加するなど)も可能になる。
  • 出回っている岩塩で一番多いのは釜焚岩塩。
  • 地下水によって岩塩を溶解したものを「地下かん水」と言う。

(4)湖塩

  • 日本にはない。
  • 死海やカスピ海、ソルトレイクシティーのグレートソルト湖、また南米ではウユニ湖など塩水の湖(塩湖)などで作られる。
  • 塩湖は岩塩が出来る途中の状態。
  • 塩湖に出来ている塩が「湖塩」、そしてその塩湖の塩水が「湖塩水」と言う。
  • 陸地の移動などで海水が閉じこめられて湖になるケースや、岩塩が流れ込んだ河川や地下水に溶け湖塩水になるなど成り立ちは様々である。
  • 死海やカスピ海は、水分の蒸発がありながらも常に河川からの水の流れ込みがあり、その出口がないため常に塩湖。
  • 湖塩水も湖塩も、その成り立ちが様々で、成分もそれぞれ異なるため、一概にその成分を定義することが出来ない。逆に、湖塩の成分を見ることで、その原料である湖塩水の成分や結晶法を推測することも出来る。
  • どのようにして結晶化させるかで、食塩の成分・味に大きく影響する。
  • 天日湖塩は湖塩水を原料に、天日結晶させた塩。
  • 釜焚湖塩は、不純物を除くために、すでに塩として出来上がっている湖塩を一度溶かして濃い塩水を作り、それを釜で焚いて結晶化させる。

(5)再製加工塩

  • 主に海外の安価な天日塩とニガリを原料に作られた食塩。
  • 天日塩を水に溶かした後、ニガリを混合し、釜焚結晶させて作る。
  • 原料となる天日塩はナトリウムは97~98%だが、ニガリを混合することにより、マグネシウムが増え、旨み柔らかさが出る。
  • ニガリを混合せず、天日塩を海水に溶かして再結晶させ方法もある。原材料を見ることで区別ができる。
  • 安価な天日塩を使用するので経済的。

(6)精製塩

海水等からイオン交換膜製塩法など、化学的な方法で塩化ナトリウムを精製する方法。

(7)イオン交換膜製塩法

  • イオン交換膜で生成した塩。
  • コンビニやスーパーなどでよく見かける、最もポピュラーな塩。塩化ナトリウム99.9%。
  • イオン交換膜濃縮で濃い塩水を作り、釜焚結晶させる。
  • 最近では一般的だが、他の濃縮法とは異なる特殊な製法。
  • 水中で、塩がナトリウムと塩素に分解され、それぞれがプラスイオンとマイナスイオンに分かれる性質を利用。プラスとマイナスの電極と、イオンの片方だけを透過させる膜を利用して、電気的に塩素とナトリウムを引き寄せ濃縮する。
  • 天候・気候に影響されずに出来ることから、年間を通してとても安定して生産可能。
  • 釜焚結晶は立釜(真空蒸発缶)による場合が多い。

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