ガラムマサラ

ガラムは「辛い」、マサラは「混合物」を意味し、スパイスを混ぜ合わせたもの。通常3~10種類のスパイスが使用されるが、べーシックな組み合わせが上記の6種類。
クミン=馬芹(うまぜり)

カレー粉特有の香りを持つ。食欲増進や消化促進作用があるといわれている。カレーの本場インドでは、タンドリーチキンにも使用されるスパイス。
コリアンダー=胡荽子(こずいし)

葉はパクチー(香菜)として使用される。温めてつぶすと、オレンジのような甘い香りがする。消化を促し、食欲を増進するはたらきがある。パキスタンなどでは、せき止めの薬としても用いられている。
カルダモン=小豆蔲(しょうずく)

香りの王様といわれる、すがすがしい香りを持つショウガ科のスパイス。香りをかぐと、脳の血流が 3% 改善されるとの研究結果もある。
インドのお茶「チャイ」にも使用され、山椒の代わりにウナギのかば焼きにかけてもおいしい。
ターメリック=鬱金(うこん)

カレーやたくあんの黄色の原料。ポリフェノールの一種であるクルクミンを含んでおり、抗酸化作用や肝機能改善、アルコール代謝作用、コレステロール値低下などのはたらきをもつとされる。アルツハイマー病の原因ともなるタンパク質やアミロイドβの蓄積を防ぐ働きももち、近年は認知症予防効果が期待されている。
レッドペッパー=蕃椒(ばんしょう)

唾液を多く分泌させ、消化を助ける。美肌に良いとされるビタミンAやビタミンCを豊富に含む。だ液や胃粘液を出やすくするはたらきがある。心筋梗塞の予防にもなると言われている。コロンブスが南米で発見し、いち早く世界に広めたスパイス。
シナモン=桂皮(けいひ)

漢方の処方で使用されることの多い香木の一種。甘みを引き立てるはたらきがある。
体内の余分な水分を排出するので、夜尿症などにも効果があるとされる。
五香粉(ごこうふん)

5種類、ないしは5種類以上のスパイスをブレンドして作った中国の代表的なスパイス。
クローブ=丁子(ちょうじ)

漢方薬や線香の原料として使われる、香りのよい香木の一種。
強い抗菌力を持ち、麻酔作用やさび止めなど、用途は幅広い。腸内にたまったガスを排出しやすくする駆風剤 (くふうざい) としても用いられる。
マンダリン = 陳皮(ちんぴ)

みかんの皮を乾燥させたもの。食物繊維の一種であるペクチンや、抗酸化作用をもつポリフェノールの一種のフラボノイド、疲労回復や美肌にもいいとされるクエン酸を多く含む。胃腸のはたらきを活発にするともいわれている。古いほど良質。
スターアニス = 大茴香(だいういきょう) = 八角(はっかく)

血行を促進や利尿作用があるといわれている。代謝や消化活動を活発にするはたらきや、気持ちを静める鎮静効果もあるとされる。
山椒=ファガラ

胃を丈夫にしたり、利尿、発汗作用があるとされている。
ヘンプ=麻の実

栄養バランスが良好で、栄養価が高いとされているスーパーフードとしても注目を集めている。良質なたんぱく質やミネラルが豊富に含まれるとされ、漢方では便を滑りやすくする下剤として使用される。油分を含んでおり、美容への効果が期待されている。
ポピー=芥子(けし)

芥子の実に含まれるβカロテンには抗酸化作用があり、アンチエイジングの効果も注目されている。種から油を採り、せっけんや軟膏、絵の具の材料にも使用される。種に催眠作用はない。
ブラックぺッパー=黒胡椒

代謝を高めたり血流を良くするので、冷えなどにもいいとされている。ペッパーには大きく分けて4種類あり、黒のほかに白、ピンク、グリーンがある。
ジンジャー=生姜

血液の循環をよくして、体を温める
フェンネル

食べ物の消化を助けたり、駆風剤のはたらきがある。寄生虫「アニサキス」が嫌う香りでもある。アニサキスが体内に入ってしまったら、フェンネルを生のまま3分間ほどよくかんで飲み込むと、アニサキスの動きが弱まり、自然排便される場合もあるとされている。
ミント=薄荷(はっか)

気持ちを穏やかにしたり、気持ちを静める作用がある。
ガーリック = 太蒜(たいさん) = にんにく

抗菌、免疫の活性化作用あるとされ、風邪や、がんに対する抵抗力があるとされている。
ローズマリー = 万年老(まんねんろう)

アンチエイジングのハーブとして知られている。
ローリエ(Laurier) = 月桂樹 = ベイリーフ。

さわやかで、明瞭な芳香があるので、料理の香り付けに使用される。煮込むと微かな苦味が出て来る。
香りのする胃腸薬として、煎じた液体は神経痛やリウマチに使用される。
フェヌグリーク(Fenugreek) = ころは = メーティー(Methi)

マメ科の1年草の植物で、種子がスパイスとしてカレー粉などに利用されている。
滋養強壮、栄養補給、食欲増進、解熱剤としても使われるほか、インドでは催乳作用を持っていると考えられ、授乳期の女性が食べる習慣がある。
ナツメグ(Nutmeg) = ニクズク = ジャイファル(Jaiphal)

独特の甘い香りがあり、挽き肉料理や魚料理の臭みを消すために用いられる。日本や中国でも古くから健胃薬とされている。インドでは消化を促し便通をよくし、美肌に効果があると考えられている。
アジョワン(Ajwain) = カロム = ロヴァージュ

インドの家庭料理でよく使われ、カレーパウダーの原料にもされる。精油後の成分チモールには強い殺菌力があり、伝染病予防にも使用されていたといわれている。整腸作用もあり、消化不良の薬としても飲用されている。
サフラン(Saffron) = 番紅花 = ケサル(Kesar)

めしべを乾燥させて、スパイス(香辛料)や生薬として用いられるが、収率が低いため高価。
鎮静、鎮痛、通経作用があり、婦人病(月経不順、子宮に関する症状)にも効果があるといわれている。